赤シャツのマスターの指先がピアノを優しく奏で、シェーカーは小気味いいリズムを刻む。武蔵野の面影を写し出すかのように窓に浮かぶ樹木とジャズピアノの穏やかな音色がバーを静かに演出します。ここは人生を語りウィスキーの香りにゆったりと身をゆだねる空間です。
2007年に文藝春秋社から「武蔵野倶楽部」/村松友視著が発売されました。6つの都市のそれぞれの大人の時間と空間を描く傑作短編集で作者の軽妙な洞察力をうかがい知る事が出来ます。店主も赤シャツのマスターとして作品に登場し、店内の雰囲気もノンフィクションで描かれていますのでお楽しみいただけると思います。